
【朗報】甘いのに血糖値が上がらないアルロース
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アルロースが与える血糖値への影響
アルロースは、血糖値管理に役立つことが期待されている甘味料です。糖尿病管理のほか、体重管理を実現する糖類として期待されており、健康的な食生活を送る上で魅力的な選択肢と言えます。血糖値に関する基本的な情報を確認していきましょう。
血糖値の基礎知識
血糖値とは、血液中にどれだけのブドウ糖(グルコース)が含まれているかを示す指標です。

ブドウ糖は食べ物や飲み物から摂取される糖の一種で、体の主要なエネルギー源になります。食事などからブドウ糖を吸収すると血糖値は高くなります。
ここ血糖値は適切な範囲を維持する必要があり、高すぎても低すぎても体に悪影響を及ぼします。適切な血糖値を維持するため重要な役割を果たしているのがインスリンというホルモンです。
血糖値が高くなると膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは細胞の受容体に結合し、血液中のブドウ糖を取り込みエネルギー源にします。余ったブドウ糖はインスリンが中性脂肪やグリコーゲンに合成し体に蓄えられます。
インスリンの働きで高血糖や低血糖になりませんが、インスリンの働きが悪くなると血糖値が高くなりやすくなり糖尿病になってしまいます。

糖尿病には、以下の2つのタイプがあります。
インスリンが十分に作られない
<2型糖尿病>体がインスリンに適切に反応しない
糖尿病などで高血糖状態が続くと神経や血管がダメージを受けてしまい、心臓病などの健康問題を引き起こす可能性があります。血糖値の管理は健康の維持のために非常に重要な要素です。血糖値の適切な管理は糖尿病の予防になります。
正常な血糖値とは?
血糖値は一日の中で上下し食事の前に最も低くなります。では、正常な血糖値はどのような指標で表されるのでしょうか。空腹時と食後における正常な血糖値は以下の通りです。
110 mg/dL未満
<食後の血糖値>(食後2時間)140 mg/dL未満
健康な人の食前血糖値は70〜80 mg/dL程度です。ただし、60 mg/dLが正常な場合もあれば、90 mg/dLが正常な場合もあり個人差があります。また、糖尿病になると血糖値の変動が大きくなります。
低血糖とは?

血糖値が、正常な範囲を下回る状態を低血糖といいます。低血糖の基準も人それぞれですが、多くの人は絶食しても60 mg/dL以下になることはほとんどありません。
断食やダイエットをしている時など、低血糖になりやすい場面でも肝臓が脂肪や筋肉を糖に変換し血糖値を正常に保つため低血糖になりません。しかし、中には食事量が少なかったり空腹時に激しい運動をしたりすることで、低血糖になる人もいます。
アルロースが血糖値上昇を穏やかにする
糖質を摂ると血糖値が上昇しますが、アルロースは、砂糖に近い食感と甘みを持ちながら血糖値に影響を与えません。
その証拠に、食後に血糖値がどのくらい上がるかを示す指標であるGI値(グリセミック指数)を砂糖(スクロース)と比較すると、砂糖のGI値は65であるのに対してアルロースはゼロです。ゼロである理由は、アルロースが体内でほとんど吸収されずに排出されてしまうためと考えられます。
また、アルロースは単体で摂取した場合だけでなく、他の糖質と一緒に摂っても血糖値の上昇を抑える働きがあることがわかっています。体重管理や糖尿病の方にとって、頼もしい味方になってくれる甘味料と言えます。
アルロースが血糖値を下げる ?
アルロースは血糖値を上げないだけでなく、血糖値を下げる効果もあります。研究により5gおよび10gのアルロース摂取グループともに、アルロースを摂取していない対照群と比較すると血糖値を低下させる効果があることがわかりました。
血糖値急上昇を抑える効果のエビデンス
そのほかにも複数のエビデンスがあります。アルロースは糖尿病管理において強力なツールとなる可能性があります。
いくつかの動物実験では、アルロースが血糖値を下げる効果があることが示されています。インスリン感受性(インスリンの効きやすさ)を高め、インスリンを生成する膵臓のベータ細胞の機能をサポートすることで、2型糖尿病のリスクを減少させることが実証されています。
インスリンが効きにくい「インスリン抵抗性」を持つラットにおいて、アルロースを含む食事、セルロースを含む食事、および市販の食事の効果を比較した研究では、7週間後にアルロース群がインスリン感受性の改善を示しました。
また、アルロースが人間の血糖調節に有益な効果をもたらすことも示唆されています。糖尿病ではない30人の参加者が50gの砂糖を摂取し、その後にプラセボ(アルロース以外)またはアルロースを摂って効果を確認したところ、30分後にアルロース群はプラセボ群よりも低い血糖値を示しました。
他の甘味料との血糖値への影響比較

糖の代替品となる甘味料にはいくつかの種類があります。アルロースは、多くの糖代替品と同様に低カロリーで、インスリンや血糖値を上げないため、体重管理や糖尿病の管理に役立ちます。
また、砂糖と同様の食感と風味を持ち、他の多くの低カロリー糖代替品に見られる強い後味がないことも特徴です。
アルロースのほかの甘味料にもそれぞれの長所と短所があり、用途や個々の健康状態に応じて選択することが重要です。以下でアルロース以外の甘味料の特徴を確認してみましょう。
ステビアは砂糖の200~300倍の甘さを持つ天然甘味料で、血糖値に影響を与えません。健康によいとされていますが、苦味や甘草のような後味があり好みが分かれる場合があります。また、マイクロバイオーム(体内の微生物)や生殖機能への影響が指摘されています。
<キシリトール>キシリトールは砂糖と同じ甘さを持ち、血糖値には影響を与えません。虫歯予防に役立つ特徴があります。過剰摂取で消化器系の問題を引き起こすことがあります。摂取量には要注意です。
<エリスリトール>エリスリトールは糖アルコールの一種で、砂糖の60〜80%の甘さがあります。血糖値やインスリンに影響を与えず、虫歯予防にも役立ちますが、過剰摂取で消化器系の問題を引き起こすことがあります。また、冷たい感覚があるため不快に感じる人もいます。
<スクラロース>スクラロースは砂糖の600倍の甘さを持つ人工甘味料で、血糖値に影響を与えません。しかし、腸内細菌叢への影響や肥満・糖尿病リスクの懸念があり、苦味や金属的な後味があり高温調理には適しません。
<アスパルテーム>アスパルテームは砂糖の200倍の甘さを持つ人工甘味料で、血糖値に影響を与えません。しかし、長年の研究で健康への有害な影響が示唆されています。高温調理には適しません。
甘味料 | 甘さ(砂糖との比較) | 血糖値への影響 | 健康への影響 | 後味・食感 | その他の特徴 |
---|---|---|---|---|---|
アルロース | 砂糖の70%程度 | 影響なし | 健康に良い | 砂糖に近い | 体内でほとんど吸収されない |
ステビア | 砂糖の200~300倍 | 影響なし | 健康に良いが苦味や甘草のような後味がある | 好みが分かれる | マイクロバイオームや生殖に関する懸念あり |
キシリトール | 砂糖と同じ | 影響なし | 虫歯予防に良い | 砂糖に近い | 過剰摂取で消化器系の問題を引き起こすことがある |
エリスリトール | 砂糖の60〜80% | 影響なし | 虫歯予防に良い | 冷たい感覚がある | 過剰摂取で消化器系の問題を引き起こすことがある |
スクラロース | 砂糖の600倍 | 影響なし | 腸内細菌叢への影響や肥満・糖尿病リスクの懸念あり | 金属的な後味がある | 高温調理には適さない |
アスパルテーム | 砂糖の200倍 | 影響なし | 健康への有害な影響が示唆されている | 砂糖に近いが高温調理には適さない | 高温調理には適さない |
アルロースと血糖値スパイク
食事の後の急激な血糖値上昇は「血糖値スパイク」と呼ばれ、放置してしまうと心臓病や糖尿病などのリスクを高めます。アルロースは血糖値スパイクを防ぐ効果が期待できる甘味料です。食事に取り入れることで健康的な血糖値コントロールに役立つと考えられます。
血糖値スパイクとは
ご飯を食べると誰でも血糖値が上がります。 血糖値スパイクは、食後に血糖値が急上昇しその後に急降下する現象のことです。
名前の由来は、実際の血糖値の変化を示すグラフの形状にあります。「スパイク」は英語で「とがったもの」や「急激な上昇」を意味し、血糖値が急激に上昇して下降する様子を示したグラフが、まるで鋭いとげやスパイクのような形状を描くことから血糖値スパイクと呼ばれています。
ジェットコースターをイメージしてみてください。 ゆっくり上ってゆっくり降りるジェットコースターと、急上昇して急降下するジェットコースターでは、どちらが体に負担がかかるでしょうか?同じように、血糖値も急激な上がり下がりは体に負担をかけてしまいます。
血糖値スパイクの症状や対策
血糖値スパイクを理解するためには、症状や対策を覚えておきましょう。
症状 | 確認方法 | 対策 |
---|---|---|
・のどが渇く ・口が非常に乾燥する ・トイレに行く回数が増える ・視界がぼやける |
・血糖値測定器で血糖値を測定 ・食前の血糖値と食後1〜2時間後に血糖値を測定 ・食後の血糖値が140mg/dL 以上の上昇で疑いがある |
・食事の後に適度な運動をする ・水をたくさん飲む ・特に炭水化物を多く食べた後は運動と水分補給を意識する |
注意点として、血糖値が高いままだと糖尿病の急性代謝性合併症である「糖尿病性ケトアシドーシス」という深刻な状態になる可能性があります。血糖値スパイクを防ぐためには、食事内容や生活習慣に気をつけることも大切です。心配な症状がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
血糖値スパイクの何が悪なのか
血糖値スパイクを繰り返すと、どうなるのでしょうか?なぜ血糖値スパイクは体に悪いのでしょうか?血糖値スパイクは、以下のように体の様々な部位を傷付け、不調を招く恐れがあります。
• 腎臓:腎臓に負担がかかり、機能が低下する可能性がある
• 目:目の血管が傷つき、視力低下や失明に繋がることがある
• 神経:手足の痺れなどの神経障害が起こりやすくなる
また、血糖値スパイクを繰り返すと、活性酸素が過剰に発生し体へのダメージが蓄積していくと考えられています。
活性酸素は、食事の後などに血糖値が急上昇すると大量に発生します。活性酸素には細胞の働きを助ける役割がありますが、増えすぎると細胞を傷つけ、様々な病気の原因になってしまいます。
血糖値スパイクが起こると体のあちこちに負担がかかるため、様々な病気のリスクが高まり、危険な状態になると言えます。
血糖値スパイクの原因は?

血糖値スパイクの主な原因には以下のようなものがあります。血糖値スパイクを防ぐにはこれらを避けることが重要です。
炭水化物の多い食品(白米、パスタ、加工食品など)は血糖値を上げやすくなります。炭水化物に偏ったメニューを避け、バランスの良い食事を心がけましょう。が指摘されています。
<睡眠不足>十分な睡眠をとらないと、インスリン感受性が低下し、血糖値が上がりやすくなります。
<運動不足または過度な運動>運動不足になると血糖値が下がりにくくなります。ただし、激しすぎる運動は逆効果になることもありますので、適度な運動を心がけましょう。
<ストレス>ストレスがかかると分泌されるストレスホルモンは、血糖値を上げてしまいます。意識してリラックスする時間をできるだけ多く作りましょう。
<薬の影響>炎症をしずめる作用のあるステロイド剤など、一部の薬の使用により血糖値が上がることがあります。
<口腔ケア不足>意外かもしれませんが、歯周病は血糖コントロールを難しくします。歯磨きはもちろん、歯科検診を忘れずに行いましょう。
<喫煙>言わずもがな、喫煙も血糖コントロールを難しくします。禁煙を心がけましょう。
<脱水>脱水症状になると血液中の水分が減り、血液中の血糖の濃度が高くなるため、水分をしっかり取ることも大切です。
アルロースが持つ血糖値スパイクの抑制効果
アルロースは、血糖値スパイクによい影響を与える可能性があります。
アルロースは、小腸で吸収されにくく、大部分は大腸に到達し、腸内細菌によって発酵された後、血糖値を下げる効果がある短鎖脂肪酸が作られます。
また、アルロースを摂取した後の血糖値の変化を、砂糖を摂取した後と比較した結果、アルロースの方が砂糖より血糖値が上がりにくいことがわかっています。さらに、血糖値をコントロールする役割のインスリンの分泌を刺激しないことも示されています。
アルロースは血糖値を急激に上げたり下げたりしないため、血糖値スパイクを引き起こす可能性が低いと考えられています。
血糖値の急上昇を避けるアルロース
血糖値の急激な上昇を防ぐのにアルロースの活用は効果的です。アルロースは砂糖の代替品として使用できます。食事と一緒に摂取することで、食事全体における血糖値スパイクを抑制できます。
ただし、効果には個人差があります。少量の摂取から試し、必要に応じて医師や栄養士に相談し、自分に合った方法や量を見つけることが重要です。
アルロースを利用した血糖値対策

アルロースを使って血糖値スパイクを抑制する方法には、いくつかのポイントがあります。以下に、具体的な方法を紹介します。
砂糖をアルロースに置き換える
砂糖を使ったレシピをアルロースに置き換えてみてください。例えば、コーヒーや紅茶に砂糖の代わりにアルロースを入れる、デザートや焼き菓子(クッキー、ケーキなど)にアルロースを使用することができます。
ジュースやスムージーを作る際に、砂糖の代わりにアルロースを加えると、血糖値スパイクを抑えることもできます。
食事と一緒に摂取する
アルロースを含んだ食品や調味料を食事に取り入れると、食事全体の血糖値スパイクを抑えることができます。例えば、サラダドレッシングやソースにアルロースを使用すると良いでしょう。
適切な量に注意する
アルロースは血糖値に与える影響が少ないとはいえ、過剰摂取は避けるべきです。適切な摂取量を守り、一日の総カロリーや糖類の摂取バランスを考慮してください。
血糖値を観察する
アルロースを摂取した後の血糖値の変化を観察し、自分にとって最適な摂取方法や量を見つけることが大切です。血糖値は、血糖値測定器を使って計測できます。
バランスの良い食事を摂る
アルロースだけに頼るのではなく、栄養バランスの取れた食事を心がけ、ほかの高GI食品(グリセミックインデックスが高い食品)を減らすなどの工夫をしましょう。
食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにする効果があるため、アルロースを使った料理に、食物繊維を含む野菜や全粒穀物を加えるとさらに効果的です。
アルロースの血糖値への利用Q&A
Qアルロースは血糖値を下げますか?
アルロースが直接的に血糖値を下げる効果は限定的ですが、血糖値の上昇を抑制する効果があります。インスリンの感受性を向上させたり、継続的な使用で平均血糖値(HbA1c)の改善が見られたという報告があります。
ƒQ血糖値を安定させるために必要なアルロースの必要量は?
一般的には1日5〜15gのアルロース摂取が血糖値の上昇抑制に効果的だと考えられています。ただし、個人の状況や目的に応じて調整が必要です。最適な摂取量を見つけるためには、少量から始めて徐々に増やし、自身の体調や血糖値の変化を注意深く観察することが大切です。
Qアルロースは血糖値を上げない?
アルロースは通常の使用量では血糖値を上げないと考えて問題ありません。むしろ、血糖値の上昇を抑制する効果があるため、糖尿病や血糖管理が必要な方にとって有用な甘味料の選択肢です。