甘いのに虫歯になりにくいアルロース

アルロースは虫歯菌のエサにならない！

私たちの口の中には、虫歯の原因となる細菌が常に存在しています。アルロースは虫歯菌の増殖や歯を溶かす酸の生成を抑えると報告されています。具体的にどのような効果があるのでしょうか？

虫歯の原因になる酸を作らないアルロース

アルロースは虫歯菌のエサになる可能性が非常に低く、砂糖と比べて酸の生成が抑えられます。アルロースが含まれる食品を摂取しても、口の中の酸性度が急激に上昇することがありません。

虫歯は、口の中の細菌が糖分をエサにして作る酸によって歯が溶けた状態のことです。口の中は、通常、中性に保たれていますが、食物が入り虫歯菌によって酸が作られると酸性度が高くなります。口の中が酸性に傾くほど、虫歯が進行しやすくなります。

砂糖（スクロース）などの一般的な糖類は、口の中に存在する細菌や虫歯菌の主要な栄養源になります。ストレプトコッカス・ミュータンス（Streptococcus mutans）に代表される虫歯菌は、糖類を代謝して（栄養源にして）酸を作り出して歯を溶かしてしまいます。

虫歯菌の活動を抑制する効果も期待できる

いくつかの研究ではアルロースに抗菌作用があることが示されています。アルロースを含む食品を摂取することで、抗菌作用によって口の中の虫歯菌の繁殖が抑えられる可能性があります。

アルロースには、プラーク（歯垢）を形成する際に必要な「多糖類（グルカン）」の生成を妨げる可能性もあります。グルカンはノリのように歯に付着して細菌のかたまりであるプラークを作ります。

グルカンが作られないと、細菌が歯の表面に付着しにくくなります。細菌は、プラークの中で、糖をエサにして酸を作り歯の表面を溶かすため、プラークを形成するグルカンの生成が妨げられると虫歯になりにくくなります。

アルロースと他の甘味料を虫歯リスクの観点から比較すると、以下のような違いがあります。

 

アルロースを摂取するメリットとデメリット

アルロースには虫歯に対して多くのメリットがあります。しかし、デメリットも存在しています。デメリットを回避して大きなメリットを得られるために、メリットとデメリットも知っておきましょう。

虫歯のリスクを低減（メリット）

アルロースを砂糖の代わりに使用すると、甘味を楽しみながら虫歯になるリスクを抑えることができます。特に、お子様や虫歯になりやすい方におすすめの甘味料です。

アルロースは歯の健康だけではなく、血糖値の抑制や抗酸化作用、腸内環境の改善などの効果があります。また、低カロリーであることから体重管理や糖尿病などの生活習慣病など様々な場面で役立ちます。

大量摂取するとお腹が緩くなる可能性（デメリット）

アルロースは、大量に摂取すると消化不良や腹部の違和感、ガスが溜まることがあるデメリットも存在しています。

食べ物は胃で消化された後、小腸で消化・吸収され、残ったものは大腸へと運ばれます。

アルロースは完全に小腸で吸収されず、多くが大腸に到達する非吸収性の甘味料です。大腸では腸内細菌により発酵されるため、ガスやその他の副産物が生成され、一部の人では消化不良や下痢を引き起こすことがあります。

副作用を低減できる摂取目安の量は、個々の体質や消化能力によって異なります。

一般的には一日あたり10g程度から始めて、体調を確認しながら量を調整することが推奨されます。また、副作用のリスクを軽減するために、他の食事とバランスよく摂取することをおすすめします。

砂糖の代わりにアルロースを使ってみよう！

虫歯のリスクを減らすためには、砂糖の摂取を控えることが重要です。普段の料理で砂糖の代わりにアルロースを使うことで、虫歯リスクを抑えることができ、カロリーも抑えることが可能です。

 

普段のお料理や飲み物にアルロースをプラス

普段飲んでいるお茶やコーヒー、デザートなどに砂糖の代わりにアルロースを使用することで、甘みを楽しみながら虫歯のリスクを減らせます。

アルロースは、砂糖に近い甘みで後味は砂糖よりすっきりとした味わいです。また、料理やお菓子作りなどにも利用可能で、日常生活の中で虫歯予防が可能になります。

アルロース配合の商品を選ぶ

アルロースを摂取する方法として、アルロースを含む市販の商品を選ぶことも選択肢として考えられますが、アルロースを配合した商品は、市場においてまだ種類が多くありません。

アルロースを摂取するには、基本的に自分で用意したアルロースを飲み物などに利用することになります。

毎日の口腔ケアも忘れずに

これまでの内容で、アルロースが虫歯になるリスクを低減させることがご理解いただけたと思います。

とはいえ、毎日の口腔ケアも大切です。日々の丁寧なケアと専門家のチェックを組み合わせることで、効果的な虫歯予防が実現できます。

正しい歯磨きで虫歯菌を撃退

虫歯予防には、アルロースの活用だけでなく、日常的な口腔ケアが不可欠です。まず、何よりも大切なのは、正しい歯磨き方法を実践することです。

歯ブラシを45度の角度で歯と歯茎の境目に当て、力を入れすぎず、歯ブラシを細かく動かし小さな円を描くようにして磨くことで、効果的にプラークを除去することができます。

歯間ブラシやフロスの使用も忘れないでください。これらは、歯ブラシだけでは届かない部分の汚れを取り除くのに非常に有効です。毎日の歯磨きに加えて、歯間ブラシやデンタルフロスを使用し、虫歯リスクをさらに減らしましょう。

定期的な歯科検診で徹底チェック

定期的な歯科検診は、虫歯の早期発見・早期治療につながります。検診での歯石除去により、気づきにくい初期の虫歯や歯周病を早い段階で発見でき、適切な処置を行えます。

一般的に半年に一度のペースで歯科検診を受けることが推奨されますが、口腔の状態が悪いと感じる場合、検診の頻度を高めることも必要です。

アルロースと虫歯のQ&A

Qどれくらい摂取すれば虫歯予防に効果的？

アルロースの虫歯予防効果については研究が進められていますが、摂取量に関する明確な推奨値はまだ確立されていません。正しく歯磨きを行い、フッ素を使うなどの対策も併用することをおすすめします。

Q他の甘味料と比べて虫歯リスクはどう違う？

Qアルロースは、他の低カロリー甘味料と同様に虫歯リスクが低く、さらに虫歯予防効果も期待できます。キシリトールやエリスリトールと比較すると、同等かやや劣る程度の虫歯予防効果があると考えられています。